以下は、クロザリルの副作用についての概要です。
詳細および最新の情報につきましては、「くすりのしおり」をご参照ください。
くすりのしおり(クロザリル錠25mg クロザリル錠100mg)
クロザリルの服薬による重大な副作用
無顆粒球症
血液中の白血球のうち、体内に入った細菌を殺す重要なはたらきをする顆粒球(好中球など)が著しく減ってしまい、ほとんどなくなってしまった状態を無顆粒球症といいます。
このような状態におちいると、細菌に対する抵抗力が弱くなり、感染しやすくなる危険があります。
2009年7月から2013年12月末までにクロザリルを服薬し始めた方の1.1%に無顆粒球症が副作用として報告されています[1]。
クロザリル服薬による無顆粒球症の約80%は、服薬してから18週までに発現することが報告されています[1]。
無顆粒球症の早期発見・早期対処のために
- クロザリルの服薬開始から原則18週間は入院が必要です。
- 外来に移行後も定期的な検査が必要です。
- クロザリル患者モニタリングサービス(略称:CPMS)に登録し、定期的に血液検査を行って、白血球数や好中球数を確認します。
こんな症状がみられたら・・・・・・
クロザリルを服薬していて、次のような症状(風邪様症状)がみられた場合には、速やかに、必ず、担当の医師や薬剤師などに連絡してください。
これ以外の風邪のような症状に気づいた場合も、市販の風邪薬を服薬するのは避け、速やかに、必ず、担当の医師や薬剤師などに連絡してください。
高血糖、糖尿病など
クロザリルは、新たに糖尿病になったり、元々ある糖尿病を悪化させたりする可能性が他の薬に比べて高いといわれています。しかし、クロザリルは治療抵抗性の方の治療薬であることから、医師の判断で服薬が可能な場合があります。
海外では、クロザリルを服薬した場合、血液中のケトン体という物質が著しく高くなって意識障害に至る「糖尿病性昏睡」を起こす確率が、ほかの抗精神病薬よりも高くなるという報告があります。
2009年7月から2013年12月末までにクロザリルを服薬し始めた方の13.0%に高血糖、糖尿病などが副作用として報告されています[1]。
高血糖、糖尿病などの予防、早期発見・早期対処のために
- 清涼飲料水の飲み過ぎに注意してください。
- クロザリル患者モニタリングサービス(略称:CPMS)に登録し、定期的に血糖値やHbA1c値を確認します。
- 定期的に体重を測定します。
こんな症状がみられたら・・・・・・
クロザリルを服薬していて、次のような症状がみられた場合には、速やかに担当の医師や薬剤師などに連絡してください。
クロザリル服薬時にまれにある重篤な副作用
もし以下のような症状が現れたら、速やかに担当の医師や薬剤師などに連絡してください。
- 胸の不快感、胸の痛み、胸がどきどきする、
脈拍が速いまま治まらない、原因不明の疲労、呼吸困難
(心筋炎、心筋症) - 呼吸困難、発熱、胸の痛み
(胸膜炎) - 高熱、意識障害、筋肉のこわばり
(悪性症候群) - てんかん発作、けいれん
- 失神
- 息切れ、呼吸困難
(肺塞栓症、深部静脈血栓症) - 食欲不振、全身倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる
(肝機能障害) - 急におなかが張るような感じ、何日も便秘が続いていて腹痛や吐き気がある
(腸閉塞、麻痺性イレウス) - 下痢、便に血が混じる、激しい腹痛、発熱、息切れ、意識が低下する
(腸潰瘍、腸管穿孔)
ポイント
風邪様症状は、無顆粒球症だけでなく、心筋炎・心筋症の場合でも現れることがあります。どちらもそのままにしておくと、重篤な状態におちいることがありますので、「風邪だから」と思わず、速やかに担当の医師や薬剤師などに連絡してください。
その他の副作用
クロザリル服薬時によくある副作用
クロザリルを服薬していて、いつもと違うと感じたら、できるだけ早めに担当の医師や薬剤師などに連絡してください。
- よだれが出る
- 何日も便秘が続く
- 眠い、だるい
- 発熱する
- 体重が増える
- 吐き気がする
- 一時的に脈拍が速くなる
- 手のふるえ
これらは、クロザリルを服薬し始めに起こったり長引いたりすることがあります。
服薬し始めや、薬を増やしているときには特に注意し、いつもと違うと感じたら、できるだけ早めに担当の医師や薬剤師などに連絡してください。
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クロザリル®錠25mg 100mg 特定使用成績調査 最終集計結果より