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レクビオ®の治療を受ける高コレステロール血症の患者さんとご家族の方へ

平成30年8月診療分からの制度に基づいて作成しました。
最新の情報は、厚生労働省『高額療養費制度を利用される皆さまへ』をご確認ください。

Q1:レクビオによる治療を受けるには、どのくらいのお金がかかりますか?

自己負担額は、年齢や所得によって異なります。
レクビオを投与して医療費が高額となった月に、「高額療養費制度」を利用できる場合があります。
制度の対象となった場合の自己負担限度額については、Q3 高額療養費制度の「自己負担限度額」はいくらですか? をご確認ください。

レクビオを使用した場合の医療費

レクビオによる治療を受ける場合には、以下のような費用がかかります。

診察・検査などにかかる費用+レクビオの薬剤費+その他に使用している薬があれば レクビオ以外の薬剤費

通常の受診と同様、これらの合計額の1~3割に相当する金額を医療機関の窓口で支払います。
この支払額が「高額療養費制度」で定められた自己負担限度額を超えた場合に、限度額を超えた金額の支給を受けることができます。

【POINT】
医療費の負担額を軽減できる制度があります。
制度について知り、上手に活用しましょう。

Q2:「高額療養費制度」とはなんですか?

1ヵ月の医療費の支払額(自己負担額)が限度額を超えた場合に、その超えた金額分の支給が受けられる制度です。

高額療養費制度の概要(月単位で算出)

窓口での支払額 病院(レクビオの薬剤費・診察・検査費用など)+藥局(レクビオ以外の薬剤費など) 差額 高額療養費制度による支給 自己負担限度額(最終的な自己負担額)※年齢や所得などによって異なります。  ※医療にかからない場合でも必要となる「食費」・「居住費」、患者さんの希望によってサービスを受ける「差額ベッド代」・「先進医療にかかる費用」などは高額療養費の支給の対象とはされていません。

この制度は、同一月(1日~末日)、医療機関ごと(医科と歯科、通院と入院は別、複数の診療科は合算)で計算して適用されます。
ただし、以下の場合は同一月に別の医療機関、医科や歯科を受診した場合でも合算できます。

  • それぞれの医療機関での窓口支払額が21,000円以上の場合
  • 70歳以上の場合(金額に関係なく合算可能)

【POINT】
レクビオは、初回、3ヵ月後、その後は6ヵ月ごとに
1回投与します。
高額療養費制度は1ヵ月の医療費に基づいて適用されるため、
レクビオを投与した月の医療費が自己負担限度額を超えた場合は
超えた金額分の支給が受けられます。

Q3:高額療養費制度の「自己負担限度額」はいくらですか?

その方の年齢や所得によって異なります。こちらの表をご確認ください。

69歳以下の方の場合

所得区分:年収約1,160万円~【健保】標報83万円以上【国保】旧ただし書き所得901万円超 1ヵ月の自己負担限度額(世帯ごと):252,600円+(医療費-842,000円)×1% 多数回該当※1:140,100円  所得区分:年収約770万~ 約1,160万円【健保】標報53万~79万円【国保】旧ただし書き所得600万~901万円 1ヵ月の自己負担限度額(世帯ごと):167,400円+(医療費-558,000円)×1% 多数回該当※1:93,000円  所得区分:年収約370万~約770万円【健保】標報28万~50万円【国保】旧ただし書き所得210万~600万円 1ヵ月の自己負担限度額(世帯ごと):80,100円+(医療費-267,000円)×1% 多数回該当※1:44,400円  所得区分:年収~約370万円【健保】標報26万円以下【国保】旧ただし書き所得210万円以下 1ヵ月の自己負担限度額(世帯ごと):57,600円 多数回該当※1:44,400円  所得区分:住民税非課税者 1ヵ月の自己負担限度額(世帯ごと):35,400円 多数回該当※1:24,600円  ※1 過去12ヵ月以内に3回以上、自己

70歳以上の方の場合

所得区分(現役並み):年収約1,160万円~ 標報83万円以上 課税所得690万円以上 1ヵ月の自己負担限度額 通院+入院(世帯ごと)通院+入院(世帯ごと):252,600円+(医療費-842,000円)×1% 多数回該当 ※1:140,100円  所得区分(現役並み):年収約770万~約1,160万円 標報53万~79万円 課税所得380万円以上 1ヵ月の自己負担限度額 通院+入院(世帯ごと)通院+入院(世帯ごと):167,400円+(医療費-558,000円)×1% 多数回該当 ※1:93,000円  所得区分(現役並み):年収約370万~約770万円 標報28万~50万円 課税所得145万円以上 1ヵ月の自己負担限度額 通院+入院(世帯ごと)通院+入院(世帯ごと):80,100円+(医療費-267,000円)×1% 多数回該当 ※1:44,400円  所得区分(一般):年収156万〜約370万円 標報26万円以下 課税所得145万円未満等 1ヵ月の自己負担限度額 通院(個人ごと):18,000円※2〔年間上限14万4,000円〕 1ヵ月の自己負担限度額 通院+入院(世帯ごと):57,600円 多数回該当
例えば…70歳、所得区分が「II住民税非課税世帯」の方で30万円の医療費(通院)がかかり窓口負担(2割)が6万円の場合、1ヵ月の自己負担限度額は8,000円です。  窓口での支払額:60,000円 支給:52,000円 差額:60,000円-8,000円 自己負担限度額(最終的な自己負担額):8,000円

Q4:自己負担限度額を超えた金額の支給は、どのようにして行われますか?

医療機関に「認定証」(限度額適用認定証)などを提示し、自己負担限度額を支払う方法と、一度医療機関に自己負担額を全額支払い、申請により払い戻しを受ける方法があります。

① 医療機関に「認定証」などを提示し、自己負担限度額を支払う場合

①被保険者(患者さんやご家族)が保険者に「認定証」などの申請 ②保険者が被保険者に「認定証」などの交付 ③被保険者(患者さんやご家族)医療機関に「認定証」などを提示し、自己負担限度額を支払う  「認定証」はご加入の健康保険組合などに「限度額適用認定申請書」を提出し、保険者から交付を受けます。詳細についてはご加入の健康保険組合などにお問い合わせください。

② 一度医療機関に自己負担額を全額支払い、申請により払い戻しを受ける場合

①被保険者(患者さんやご家族)が医療機関に自己負担額を全額支払う ②高額療養費支給の申請 ③保険者が被保険者(患者さんやご家族)に自己負担額を超えた金額を払い戻し  申請から払い戻しまで約3ヵ月かかります。払い戻しを申請できるのは、支払いから2年以内です。また、保険者による貸付/給付制度を利用できる場合があります。制度は加入する医療保険によって異なるため、支払いにお困りの際は、保険者までお問い合わせください。

【POINT】
どちらの方法でも、最終的な自己負担額は同じです。

Q5:医療機関の窓口での支払額を自己負担限度額までとするための具体的な方法を教えてください。

条件により、必要な手続きや医療機関での提示物が異なります。
以下のフローをご確認ください。

医療機関の窓口での支払額を自己負担限度額までとするための事前手続きと医療機関での提示物(健康保険証のほかに必要なもの)

チャート:医療機関の窓口での支払額を自己負担限度額までとするための事前手続きと医療機関での提示物(健康保険証のほかに必要なもの)

認定証の交付申請の代わりにマイナンバーカードを用いることができます

マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関では、「限度額適用認定証」がなくても、限度額を超える支払いが免除されます。

医療機関・薬局での高額療養費制度の利用方法 マイナンバーカードで受診:顔認証付きカードリーダーで情報提供に同意 または 保険証で受診:口頭で情報提供に同意

Q6:レクビオ以外の治療を受けている場合や、自分以外に医療費を支払っている家族がいる場合、高額療養費の自己負担額をまとめることはできますか?

以下にあてはまる場合は、自己負担額の減額や合算ができる可能性があります。
詳細は各項目をご確認ください。

当面の間、高額な医療費を継続して支払う可能性が高い→①多数回該当 同一世帯に医療費を支払っている方がいる→②世帯合算 ご自身または同一の医療保険に加入しているご家族が、介護保険を利用している→③高額医療・高額介護合算療養費制度(合算療養費制度)

①多数回該当

過去12ヵ月以内に3回以上、自己負担限度額に達した場合は、4回目から「多数回該当」となり、自己負担限度額が下がります。

例えば…70歳、所得区分が「年収約370万~約770万円」の方で自己負担限度額に達した回数が3回までの場合、30万円の医療費がかかった際の自己負担限度額は80,430円ですが、4回目以降は44,400円に減額されます。  1回目(1月) 半年に1回通院のA病院 医療費(通院):30万円 窓口負担(3割):9万円 自己負担限度額:80,430円 80,100円+(300,000-267,000円)×1%  2回目(3月) 3ヵ月に1回通院のB病院 医療費(通院):40万円 窓口負担(3割):12万円 自己負担限度額:81,430円 80,100円+(400,000-267,000円)×1%  3回目(6月) 3ヵ月に1回通院のB病院 医療費(通院):40万円 窓口負担(3割):12万円 自己負担限度額:81,430円 80,100円+(400,000-267,000円)×1%  4回目(7月) 半年に1回通院のA病院 医療費(通院):30万円 窓口負担(3割):9万円 自己負担限度額:44,400円 4回目から減額  所得区分(70歳以上):年収約370万~約770万円 標報28万~50万円 課税所得145万円

②世帯合算

複数の受診や、同じ世帯の方(同じ医療保険に加入している方)の受診について、窓口で支払った自己負担額を1ヵ月単位で合算することができます。
その合算額が一定額を超えたときは、超えた金額分の支給が受けられます。
※69歳以下の方の受診については、21,000円以上の自己負担のみ合算されます。

例えば…70歳、所得区分が「年収約770万~約1,160万円」の方で30万円の医療費がかかった場合、窓口での負担額が自己負担限度額を下回るため、高額療養費制度の対象とはなりません。 しかし、同じ月に同じ世帯の方がさらに30万円の医療費を支払った場合は世帯の合算額が自己負担限度額を超えるため、高額療養費制度の対象となります。  Aさん 医療費(通院):30万円 窓口負担(3割):9万円 自己負担限度額:164,820円 167,400円+(300,000-558,000円)×1% 窓口負担額(9万円)が、自己負担限度額(164,820円)を下回るため、高額療養費制度の対象となりません  Aさん、Aさんと同世帯のBさん Aさん 医療費(通院):30万円 窓口負担(3割):9万円 Bさん 医療費(通院):30万円 窓口負担(3割):9万円 Aさん+Bさんの窓口負担:合計 180,000円 自己負担限度額:167,820円 167,400+(600,000-558,000円)×1% 世帯合算で高額療養費制度の対象に 払い戻し金額 12,180円

③高額医療・高額介護合算療養費制度(合算療養費制度)

世帯内の同一の医療保険の加入者について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
詳しくは、ご加入の医療保険にお問い合わせください。

高額療養費制度:「月」単位で負担を軽減 合算療養費制度:「年」単位で負担を軽減

Q7:高額療養費制度以外に、医療費のサポートが受けられる制度はありますか?

医療費控除、付加給付などの制度があります。保険の加入先によって異なるものもあるため、ご自身の加入している医療保険を確認しましょう。

医療費控除制度

同一世帯の年間の医療費の支払い総額が10万円を超えた場合、確定申告を行うことで、税金の一部が戻ってきます。
また、ドラッグストアなどで購入した市販薬の購入代金、入院時の部屋代・食事代、医療機関への交通費も一部対象となります。
確定申告の際は医療費の領収書をもとに作成する医療費控除の明細書が必要ですので、領収書は、ご家族の分も含め捨てずに保管しておきましょう。

イメージ図:医療費控除制度

付加給付制度(一部負担還元金、家族療養費付加金など)

健康保険組合と共済組合には、「付加給付制度」という独自の給付制度を設けている組合があります。これは、組合が定めた一定額を超えた金額の自己負担金が支給される制度です。
一定額の基準は組合によって異なりますが、多くの場合、高額療養費制度の自己負担限度額よりも低く設定されています。高額療養費制度の対象とならなかった方も対象となる可能性がありますので、ぜひご確認ください。
ただし、すべての組合で実施されているわけではありませんので、 詳しくはご加入の医療保険にお問い合わせください。