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ゾレア®による治療を受ける特発性の慢性蕁麻疹の患者さまとご家族の方へ

総監修:
島根大学医学部 皮膚科学講座 名誉教授
森田 栄伸 先生

どうして蕁麻疹がおきるの?

蕁麻疹は、血液中のIgE※1と呼ばれる物質などが、皮膚にあるマスト細胞※2を活性化することで、マスト細胞※2からヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症をおこす化学物質(炎症性メディエーター※3)が放出されておこります。

血中のlgEなど マスト細胞の活性化 蕁麻疹
↓

何らかの刺激により、血中のIgE※1などがマスト細胞※2の受容体に結合

アレルギーをおこす原因物質(抗原)・寒さ、日光などの刺激・原因不明
↓

マスト細胞※2から、皮膚に炎症をおこす
炎症性メディエーター※3(ヒスタミンなど)が放出される

イメージ図

ヒスタミンをはじめとする炎症性メディエーター※3放出

*1:免疫グロブリンE と呼ばれる抗体のことで、通常、人間の血液中や体液中に微量に存在しています。免疫システムに何らかの異常があると体内で過剰に産生され、蕁麻疹やアレルギーなどの症状を引きおこす一因となります。

*2:マスト細胞※2に存在する受容体で、IgE※1とマスト細胞※2を結びつける役目を果たします。IgE※1とマスト細胞※2が結びつくことで、ヒスタミンなどの炎症性メディエーター※3が放出され、蕁麻疹やアレルギーがおこります。

↓

皮膚の血管と神経に作用し、血管拡張、血漿成分漏出により、膨疹※4ができる

イメージ:皮膚の血管と神経に作用し、血管拡張、血漿成分漏出により、膨疹ができる

Boushey HA. Jr. J Allergy Clin Immunol 2001; 108(2 Suppl) : S77.〔 20091588〕
秀 道広 他.蕁麻疹診療ガイドライン.日皮会誌 2011; 121: 1339-1388.

膨疹※4とは、皮膚にできる赤いふくらみのことで、通常は数時間以内に自然消失します。

慢性蕁麻疹患者さんのQOL(生活の質)
―他の皮膚疾患との比較―

慢性蕁麻疹は繰り返しおこるため、他の皮膚疾患と比較しても、
QOL(生活の質)の低下が大きい疾患です。

グラフ:慢性蕁麻疹患者さんのQOL(生活の質)

Lewis V, Finlay AY. J Investig Dermatol Symp Proc 2004; 9: 169-180.

DLQIスコアとは、皮膚の病気が生活の質にあたえる影響をみるためのスコアです。

※1:IgE
免疫グロブリン(Immunoglobulin)の一つ。体内に侵入したアレルギー物質を撃退するために産生される。

※2:マスト細胞
肥満細胞ともいう。白血球の一種で生体の免疫反応に関わる。

※3:炎症性メディエーター
体内で炎症を誘発する物質。ヒスタミンやロイコトリエンなどがある。

※4:膨疹
皮膚にできる赤いふくらみのことで、通常は数時間以内に自然消失します。