皮疹の重症度やQOLを評価し、治療方針を立てる
乾癬の症状がどの程度なのか、皮疹の重症度を正確に把握することは、治療方針を立てるときや、治療効果を判断するときにとても役立ちます。また、乾癬患者さんは見た目上の悩みからQOLが低くなりがちですが、QOLは皮疹の重症度と必ずしも一致しません。ですから、皮疹の重症度だけではなく、QOLも評価して治療方針を立てることが大切です。
皮疹の重症度評価にはBSA(びーえすえー)やPASI(ぱし)、QOLの評価にはDLQI(でぃーえるきゅーあい)やSF-36(えすえふ36)、EQ-5D(いーきゅーふぁいぶでぃー)などが用いられています。
皮疹の重症度評価
① BSA(Body Surface Area)
全身の皮膚の面積を100%とし、乾癬の皮疹の面積が全身の何%にあたるかを示します。だいたい手のひら(指を含む)1枚分が1%になります。
② PASI(Psoriasis Area and Severity Index)[1]
紅斑(こうはん)、浸潤(しんじゅん)、落屑(らくせつ)の程度や症状が出ている範囲を調べて、乾癬の重症度を点数であらわします。最高得点は72点で、点数が高いほど重症度が高いことを示します。
PASIスコアの計算方法
QOLの評価
DLQI(Dermatology Life Quality Index)[2]
皮膚の状態が日常生活にどれくらい影響したかを点数であらわします。患者さん自身が10項目の質問に回答し、点数を付けます。最高得点は30点で、点数が高いほどQOLが低いことを示します。
DLQIの質問票
関節の症状・状態の評価
関節に症状がある場合は、疾患活動性(病気の勢いのこと)を評価することで治療方針を立てたり、治療効果を判断したりします。そのための方法として、DAS28(だす28、Disease Activity Score)や、DAPSA(だぷさ、Disease Activity index for Psoriatic Arthritis)などを用います。
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van de Kerkhof PC.:Br J Dermatol. 1997;137(4):661-662.
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Finlay AY, et al.:Clin Exp Dermatol. 1994;19(3):210-216.